- TAIYAKI
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2024
Belgian-made tanned leather (Upper)
L320 × W100 × 120
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「TAIYAKI」は、食べ物の鯛焼きと同じ構造を意識したアートピースである。上面と下面の「餡」を包み込む生地部分は、ヌメ革を一枚革で成形しており、技術的な工夫が凝らされている。剥ぎを一切使わず、革を無理なく整形することで、見た目に反してその構造は非常に巧妙である。
この作品に表れる「餡がはみ出たような箇所」は、単なるディテールではなく、作品全体が持つユーモアの一部である。
三澤は、靴という形を基にしたアートでありながら、観る者に軽やかで遊び心のある感覚を与えることを意図している。
形に込められた遊び心は、ただの靴にとどまらず、アートとしての深みをも感じさせる。
「TAIYAKI」の着想は、三澤が鯛焼きを食べているときにふと浮かんだものだ。そのインスピレーションは、日常の中で得た小さなひらめきが、いかにしてアートとして具現化するかを示す一例である。
また、三澤の作品製作のペースは、大作で年に1個、多くても2個が限界であり、その合間には、リラックスして純粋に楽しむための作品も作られる。「TAIYAKI」は、その一つであり、遊び心を存分に楽しむために作られた作品である。
この作品には、革靴という形の枠を超えた、三澤らしいユニークなアート的視点が息づいている。
